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【外国人採用のステップ】(3)面接時に注意すべきポイント

2024.12.26

外国人労働者を採用する際、面接は重要なステップの一つです。しかし、言語や文化の違いに配慮しないと、誤解やミスマッチを生む可能性があります。適切な面接を行うことで、企業が求める人材を見極め、候補者にも安心感を与えることができます。本稿では、外国人労働者の面接を円滑に進めるための具体的なポイントや注意事項を解説します。


1. 言語の壁を考慮する

日本語能力の確認
日本語で面接を行う場合、候補者の日本語能力を過度に評価するのではなく、業務に必要なレベルを明確にした上で適切に判断することが重要です。例えば、以下のような方法で能力を測ることができます:

  • 簡単な自己紹介を求める。
  • 業務に関連する日本語での質問を1~2問用意する。

通訳者や翻訳ツールの活用
候補者が日本語に自信がない場合、英語や母国語での面接も検討しましょう。通訳者を同席させたり、オンライン翻訳ツールを活用することも有効です。これにより、候補者の本来の能力や意欲を正確に評価できます。


2. 文化の違いを理解する

ジェスチャーや非言語的な表現
文化によっては、目を合わせないことが敬意の表れである場合や、はっきりと自己主張しないことが礼儀とされる場合があります。面接官は、非言語的な表現を文化的背景に応じて柔軟に解釈することが必要です。

ストレートな回答を求めすぎない
一部の国では、面接で自分をアピールすることが得意でない場合があります。特に、謙虚さを重視する文化では、スキルや経験を過小評価する傾向があります。質問を工夫して具体的な回答を引き出すよう心がけましょう。

  • 「これまでにどのような経験がありますか?」よりも、
    「具体的にどのようなプロジェクトでどんな役割を果たしましたか?」と質問する。

3. 明確な質問を用意する

シンプルでわかりやすい質問
質問はできるだけ簡潔にし、専門用語や日本語の曖昧な表現を避けましょう。例えば:

  • 「どのように課題を解決しましたか?」ではなく、
    「以前の仕事で、問題が発生したときにどう対処しましたか?」とする。

業務に関連する質問を重視
候補者が具体的にどのようなスキルや経験を持っているかを評価するため、業務内容に直結する質問を用意しましょう。たとえば:

  • 「過去にお客様対応をした経験はありますか?」
  • 「現在のスキルで特に自信があるのは何ですか?」

4. 候補者をリラックスさせる工夫

フレンドリーな雰囲気作り
面接の冒頭に「リラックスしてください」と声をかけたり、軽い雑談を交えることで緊張を和らげることができます。たとえば:

  • 「日本にはどのくらい住んでいますか?」
  • 「ここまでの道のりは迷わなかったですか?」

候補者のペースに合わせる
外国語でのコミュニケーションには時間がかかる場合があります。話を急かさず、回答のペースを候補者に合わせることが重要です。


5. 法令を守った面接を行う

差別的な質問を避ける
採用面接では、出身国や宗教、家族構成など、差別につながる可能性のある質問を避けましょう。たとえば:

  • 「どの宗教を信仰していますか?」や「どこの国の人ですか?」といった質問はNGです。

公平性の確保
面接評価の基準を事前に明確に設定し、すべての候補者を公平に評価することが重要です。


6. 候補者に仕事をイメージさせる

業務内容の具体的な説明
候補者が仕事の内容を具体的に理解できるよう、業務内容や期待される役割について詳しく説明しましょう。たとえば:

  • 「お客様とのやり取りが多いポジションですが、メールでの対応が主になります。」
  • 「このポジションでは、商品の在庫管理を主に担当していただきます。」

働く環境を伝える
職場の雰囲気や文化を共有することで、候補者が自分の適性を判断しやすくなります。たとえば:

  • 「チームは多国籍で、英語と日本語の両方を使っています。」
  • 「一緒に働くスタッフは10名で、平均年齢は30代前半です。」

7. 双方向のコミュニケーションを心がける

質問の機会を与える
面接の最後に、候補者が質問できる時間を設けることで、企業や業務に対する関心を把握できます。たとえば:

  • 「当社について何かご質問はありますか?」
  • 「仕事を始める前に不安なことがあれば教えてください。」

候補者の意見を尊重
候補者が率直に意見を述べられる雰囲気を作りましょう。これにより、候補者の考え方や価値観をより深く理解できます。


8. 面接後のフォロー

迅速な連絡
面接後は、採用結果をできるだけ早く連絡することが重要です。遅延が生じる場合は、候補者に状況を説明し、安心させるよう心がけましょう。

フィードバックを提供
採用しない場合でも、候補者に簡単なフィードバックを提供することで、信頼感を高めることができます。


まとめ

外国人労働者との面接では、言語や文化の違いに配慮しつつ、公平かつ適切な評価を行うことが求められます。シンプルな質問やフレンドリーな対応を心がけることで、候補者の本来の能力を引き出し、企業と候補者のミスマッチを防ぐことが可能です。準備を怠らず、双方向のコミュニケーションを大切にすることで、成功する採用面接を実現しましょう。