【特定技能の運用方針】(10)自動車運送業
2025.03.17自動車運送業分野における特定技能制度【2024~2025年最新版】
日本の少子高齢化の影響を大きく受ける自動車運送業界では、トラック・タクシー・バスなどを運転するプロフェッショナルを確保するのが年々難しくなっています。こうした人手不足を解消し、安全かつ安定した輸送を維持するために注目されているのが、外国人材を受け入れる「特定技能」制度です。
本記事では、自動車運送業分野での特定技能制度の概要や必要要件、2025年に向けた最新の動向を交えながら、わかりやすく解説します。
自動車運送業分野の特定技能制度とは?
制度の概要
特定技能制度は、日本の各産業分野で慢性化する人手不足を補うため、即戦力となる外国人労働者を受け入れる仕組みです。
自動車運送業分野においては、「特定技能1号」が対象となり、以下の 3つの業務区分 で外国人が働くことが認められています。
- トラック運転者
- タクシー運転者
- バス運転者
現時点では特定技能2号の設定はありませんので、通算在留可能期間は最大5年、家族帯同は原則不可です。
なぜ自動車運送業界で外国人材が必要なのか?
日本全国でドライバーのなり手が減少する一方で、国民生活や経済を支えるために安全・安定した輸送は不可欠です。
- 少子高齢化により若年層の労働力不足が深刻化
- 過酷な運行スケジュールや長時間労働が敬遠されやすい
- ドライバー不足が輸送コストや地域交通の維持に影響
このような背景から、専門技能を持った外国人材を受け入れ、新たな戦力を確保する動きが活発化しています。
2025年に向けた最新動向:特定技能1号評価試験の実施状況
2024年以降、自動車運送業分野の特定技能1号評価試験が本格的に実施されており、2025年以降は試験実施回数や対象国の拡充が進む見通しです。
- 試験言語・実施国の拡充
将来的には英語や特定国の言語での実施も検討。 - 受験資格の確認
18歳以上、日本語能力、技能実習2号修了者の免除措置など。 - 新任運転者研修(タクシー・バス)
第二種免許取得後、この研修を修了しなければ旅客運送業務に従事できない。
試験スケジュールや詳細情報は、国土交通省や試験実施団体の公式サイトを常にチェックしましょう。
どんな業務に従事できるの?
トラック運転者
- 運行業務(貨物輸送)
- 荷役業務(積み下ろしなど)
タクシー運転者
- 運行業務(乗客の安全輸送)
- 接遇業務(接客、乗車サポート)
バス運転者
- 運行業務(安全運行)
- 接遇業務(案内、サービス提供)
いずれの業務でも、日本人が通常行う関連業務(車両清掃や準備など)を付随的に行うことは可能ですが、専ら関連業務だけを行うのは認められません。
外国人材が満たすべき条件
必要な技能試験+運転免許
- トラック:自動車運送業分野特定技能1号評価試験(トラック)+第一種運転免許
- 日本語能力:N4相当以上
- タクシー:自動車運送業分野特定技能1号評価試験(タクシー)+第二種運転免許
- 日本語能力:N3相当以上
- バス:自動車運送業分野特定技能1号評価試験(バス)+第二種運転免許
- 日本語能力:N3相当以上
技能実習2号を良好に修了している場合、日本語試験が免除になるケースがあります(トラックのみ)。
新任運転者研修(タクシー・バス)
第二種免許を取得後、業界団体が定める研修を修了して初めて旅客運送業務に従事できます。
企業(特定技能所属機関)に求められる条件
- 日本標準産業分類:中分類43(道路旅客運送業)または44(道路貨物運送業)
- 認証・認定を取得
- 運転者職場環境良好度認証制度(日本海事協会)
- 貨物自動車運送事業安全性評価事業(安全性優良事業所)
- 自動車運送業分野特定技能協議会への加入
- 在留諸申請前に加入し、国土交通省の調査・指導に協力。
- 直接雇用(派遣は禁止)
- タクシー・バスの場合:新任運転者研修の実施
- 保証金・違約金の禁止
- 外国人が自由に転職・退職できなくなるような契約はNG
免許取得前に在留できる「特定活動(特定自動車運送業準備)」
概要
- 運転免許未取得の外国人が日本で免許取得や新任運転者研修(旅客のみ)を受けるための在留資格
- 最大6か月(トラック)または1年(タクシー・バス)在留可
- この期間に免許取得・研修終了後、特定技能1号へ移行
- 特定活動期間は特定技能1号の通算5年にカウントされない
注意点
- 免許取得費用の負担について、企業と本人間でしっかり事前合意
- 違約金契約は禁止
よくある質問(FAQ)
運転免許の取得費用は誰が負担する?
企業負担が望ましいが、本人負担の場合は事前説明・合意が必須。「一定期間働かなければ費用免除しない」等は違法の可能性があるので要注意。
家族帯同はできるの?
自動車運送業分野は特定技能1号のみでの受け入れなので、家族帯同は原則不可。
車両清掃などの業務もOK?
日本人が通常行う関連業務は付随的に行えます。ただし、運転業務がメインであることが前提。
2025年以降の試験実施は?
試験日程・国・言語などは随時拡充される予定。公式情報をチェックしましょう。
まとめ
自動車運送業分野の特定技能制度は、ドライバー不足が続く運送業界にとって、新たな人材確保の選択肢です。しかし、安全管理や運転免許取得、在留資格特有のルール(違約金禁止など)の順守が不可欠となります。
- 特定技能1号のみ(在留最大5年、家族帯同不可)
- トラック・タクシー・バス運転手向けの評価試験+運転免許+日本語能力が必要
- 免許取得前は「特定活動」で準備し、その後特定技能1号へ移行
- 2025年以降は試験が拡充され、受け入れ枠のさらなる拡大が見込まれる
最新情報をこまめに確認しながら、企業と外国人材の協力で安全で持続可能な輸送体制を構築していきましょう。
参考サイト
この特定技能制度をきっかけに、国内外の人材が協力し合いながら、より良い労働環境・サービス品質を実現していくことが期待されています。